奄美大島にはいつも1人で旅をしている。だがこの夜は違った。東京から友人2人が合流して、3人での呑み歩きだ。1人なら定番の黒糖焼酎ロックで静かに始めるところだが、連れがいると呑み方が変わる。まずはビールで乾杯。そして、この店で私は初めてハブ酒を呑むことになる。

ハブ酒が「瓶ごと」テーブルに来る
ハブ酒を注文すると、グラスに注がれたものが出てくると思っていた。違った。ハブが入った瓶ごとテーブルに運ばれてきて、目の前でグラスに注いでくれるのだ。

瓶の中のハブと目が合った状態で呑む一杯は、味の記憶より先に体の記憶が来る。アルコール度数も高いのだろうが、それ以上に、カッカときた。体の内側から温まるというより、点火される感じである。奄美の夜のデビュー戦としては上出来だった。
料理が自慢の店。一品一品が素晴らしい
この店の本領は料理だ。まずお通しからして手を抜いていない。ポテトチップスに、豚肉を奄美の粒味噌で和えた豚味噌、きゅうり。お通しで店の実力が分かるというが、この時点で今夜の期待値は跳ね上がった。

そこから島の名物が続く。大葉に鰹節をまとった島らっきょう。

もずくの天ぷら。もずくは酢の物で出てくる店が多いが、天ぷらにすると磯の香りが揚げ衣に閉じ込められて、これが酒に合う。

そしてヤコウ貝の刺身と海ぶどう。奄美と沖縄の名物が一皿に同居する。

一品一品が素晴らしい。おそらく、料理をされる方の腕前が良いのだと思う。品数を並べる店は多いが、全品の完成度が揃っている店は少ない。
油ぞうめんは「汁少なめ・ツルッと」タイプ
私の定点観測メニューである油ぞうめんも、もちろん頼んだ。脇田丸の回でも書いたが、油ぞうめんは店ごとに水分量の個性が出る料理だ。たかくらのそれは汁少なめタイプ。ただし乾いてはいない。ツルッと食べやすい仕上がりで、これはこれで完成している。

串カツも上手だった。島料理の店で揚げ物の腕が立つのは、地味に得点が高い。

締めはサーターアンダギー。ここで急に沖縄料理っぽさを感じる。奄美は鹿児島と沖縄の文化が重なる島だということを、デザートで思い出させてくれる。

ハブ酒は翌日のカヌーまで効く
ちなみに、友人にはハブ酒が強過ぎたらしい。翌日はマングローブをカヌーで巡る予定だったのだが、パドルを漕ぐ友人の顔には、明らかに前夜のハブがまだ棲んでいた。
ハブ酒は、効く。呑むなら翌日の予定と相談してからにしてほしい。これがこの夜の、研究員としての結論である。
店舗情報
| 店名 | たかくら |
| 場所 | 鹿児島県奄美市名瀬金久町7-1 |
| 電話 | 0997-58-8332 |
| 営業時間 | 要確認(〜24:00頃までとの情報あり) |
| 定休日 | 要確認 |
| ジャンル | 島料理・海鮮 |
| メニュー | 島らっきょう、もずく天ぷら、ヤコウ貝刺身、海ぶどう、油ぞうめん、串カツ、サーターアンダギー、ハブ酒 |
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