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西中洲 海鮮酒場 すぅ。|わさび塩で食べるしめ鯖が絶品、焼酎は縁ぎりぎり

西中洲 海鮮酒場 すぅ。 外観

福岡に毎年行くようになってから、5年になる。

そのあいだ毎回、博多駅には行く。天神駅にも行く。だが中洲は、昼間に通り過ぎるくらいだった。日本三大歓楽街のひとつを、私は5年かけて素通りし続けていたことになる。

今年は、夕方に歩いてみた。川沿いに屋台が並びはじめる時間である。そのまま流れで、おすすめされた海鮮酒場に入った。

目次

5年目にして、はじめて夜の中洲を歩いた

西中洲 海鮮酒場 すぅ。 外観

那珂川の川沿いを、屋台を眺めながら歩く。提灯が灯りはじめ、湯気が上がりはじめる時間帯だ。昼間に通り過ぎていた景色とは、まったく別の街だった。

目的地は、那珂川をはさんで中洲の向かいにあたる西中洲。縦格子の木を組んだ構えに、丸い「すぅ」の看板。派手さはないが、通りから見上げると明らかに「ちゃんとした店」の顔をしていた。

店の基本情報とアクセス

正式店名は「西中洲 海鮮酒場 すぅ。」。福岡県福岡市中央区西中洲11-21、ボナ・パサージュ西中洲の1階にある。地下鉄七隈線・天神南駅から徒歩4分、地下鉄空港線・天神駅16番出口からは徒歩7分。

席数は40席で、カウンター、掘りごたつ、個室がそろっている。店のイチオシは生簀のヤリイカを注文後にさばく「イカの活き造り」だそうだ。私はこの日、そこには手を出さなかった。次回への宿題として残しておく。

頼んだもの

この日の注文の記録である。方針はいつもの遠征と同じで、九州にちなんだものを頼む。

お通し——升に店名が入っている

西中洲 海鮮酒場 すぅ。 お通しの大根おろし

まずお通し。大根おろしに梅と桜エビを和えたもので、お好みで九州の甘い醤油をかけて食べる。さっぱりした口当たりに梅の酸味、桜エビの香ばしさ。そこへあの甘い醤油が乗ると、いきなり「九州に来た」という味になる。

そして、これを入れてある升に店名が焼き印で入っている。細かい話だが、こういう店は信用できる。器に金をかけている店は、たいてい中身にも金をかけている。

焼酎ロック——三岳(芋)と堕天使(米)

西中洲 海鮮酒場 すぅ。 焼酎のロック

ビールを飛ばして、最初から焼酎ロックにした。芋は「三岳」(訪問時550円)。屋久島の定番で、芋にしては軽く、水がきれいな味がする。

そして米の「堕天使」(訪問時520円)。米焼酎は普段そこまで飲む機会がないのだが、これが美味かった。おかわりもした。名前で選んだわけではない、と一応言っておく。

あとで調べたら、堕天使は熊本県多良木町の恒松酒造本店が造る球磨焼酎だった。球磨焼酎は、スコッチやボルドーと同じく国が地理的表示(GI)に指定している酒である。球磨郡・人吉市で造られた米焼酎だけが「球磨」を名乗れる。

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ここで毎回思うことがある。奄美大島でもそうだったが、九州の飲食店は焼酎をケチらない。写真を見てほしい。グラスの縁ぎりぎりまで注いである。関東で同じ値段を出すと、氷の量で勝負されることが少なくない。この一杯の量の差だけで、遠征の満足度は変わる。

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刺身の盛り合わせ 一人前

西中洲 海鮮酒場 すぅ。 刺身の盛り合わせ

海鮮酒場に来て刺身を頼まない理由はない。板に和紙を敷いた上に、赤身も白身も光り物も並んだ一人前。この日のおすすめは黒板に出ているので、内容はその日次第である。

一人前という単位がある店は、ひとりの遠征者にとってありがたい。盛り合わせは二人前からです、と言われた経験のある人には伝わると思う。

わさび塩で食べるしめ鯖

西中洲 海鮮酒場 すぅ。 わさび塩で食べるしめ鯖

そして、この日の主役。「わさび塩で食べるしめ鯖」(訪問時980円)。

絶品だった。醤油ではなく塩で食べさせるということは、酢の締め加減と鯖そのものの質に自信があるということだ。実際、この日の鯖は美味かった。脂も酸味も出しゃばらず、塩とわさびだけで完結している。

この遠征の初日にも鯖の専門店に入っていて、そのときは「九州で胡麻鯖は外れなし」という現地の友人の説を検証した。同じ晩の2軒目でも胡麻さばを食べている。そして3日後の今夜は塩である。ひとつの遠征のうちに、鯖の三つの顔に当たったことになる。九州の鯖は、まだ底が見えない。

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土鍋で炊いたおにぎり(明太子)

西中洲 海鮮酒場 すぅ。 土鍋で炊いたおにぎり

締めは土鍋で炊いたおにぎり、具は明太子。土鍋を脇に従えて、握られた三角がどんと出てくる。想像の1.5倍は大きい。福岡で明太子のおにぎりを断る理由は、ひとつも思いつかなかった。

土鍋ごはんはメニューに「炊きあがりに30分ほどお時間いただきます」と断り書きがある。締めまで焼酎で引っ張れる店だから困りはしないが、この一行は覚えておく価値がある(後述)。

店の空気

掘りごたつの座敷にはグリーンの座布団が並び、活気のある声が飛んでいる。落ち着いた内装なのに、湿っぽくならない。海鮮酒場という看板どおり、魚を食べさせる店の明るさがある。

黒板には太刀魚の塩焼き、カマスの塩焼き、本マグロのユッケ、水茄子といった品が並んでいた。定番のメニューと、その日の黒板と、二本立てで攻められる店である。初訪問でも注文に迷わない。

はじめて西中洲で呑む人への申し送り

同じ動線を辿る人のために、この日わかったことを整理しておく。

まず時間。夕方から深夜まで開いている。中洲の屋台は日が暮れてから本番なので、「明るいうちに川沿いを歩く → 早い時間に一軒目を座って呑む → 屋台へ出る」という組み立てができる。逆に、屋台をひとまわりしてから腰を据える二軒目としても使える。

次に席。カウンターと掘りごたつと個室があり、全40席。ひとりでもカウンターに座れて、刺身も一人前で頼める。人数が読めない遠征では、この融通のよさが効いてくる。

最後に注文の順番。土鍋で炊くごはんものは、炊きあがりまで30分ほどかかるとメニューに明記されている。締めに食べたいなら、飲みはじめの早い段階で通しておくこと。私はこれを学習して帰ってきた。

研究員の結論

また行くか:行く。次は宿題のイカの活き造りと、早めに頼む土鍋ご飯だ。

5年通って素通りしていた中洲を、夕方に歩いたというだけで、福岡の見え方が変わった。そして辿り着いた店が当たりだった。おすすめしてくれた人に感謝しなければならない。

向いているのは、天神・中洲まわりで魚と焼酎をきちんと味わいたい人。ひとりでも一人前の盛り合わせが頼めて、カウンターもある。夕方から深夜まで開いていることも、遠征者の不規則な行動に噛み合う。

そして何より、焼酎をたっぷり注いでくれる。九州に来た甲斐がある、というのはそういうことだ。

この遠征を含むまとめ記事

この店は2026年7月の福岡遠征の3軒目だった。同じ遠征で入った3店は、こちらにまとめてある。

福岡遠征の呑み歩き3店まとめ|博多駅・櫛田神社・西中洲を歩いた記録【2026年7月】

店舗情報

項目内容
店名西中洲 海鮮酒場 すぅ。
住所福岡県福岡市中央区西中洲11-21 ボナ・パサージュ西中洲1F
アクセス地下鉄七隈線 天神南駅から徒歩4分/地下鉄空港線 天神駅16番出口から徒歩7分
席数40席(カウンター・掘りごたつ・個室あり)

※営業時間・定休日はこの記事では記載しません。公表値は変わることがあるので、行く前に必ず店舗にご確認ください。

※記事中の料理・ドリンクはいずれも筆者の訪問時に実際に注文したものです。価格は訪問時のもので、最新のメニュー・価格は店舗にご確認ください。

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