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古河(茨城)3店まとめ|夏は鰻、冬は苺。一度も酒を飲んでいない街

たたみ家のうな重。赤と黒の重箱に蒲焼が2枚

茨城県古河市に、5回行っている。

鰻屋が2軒、いちご農園の中のレストランが1軒。3軒で5回である。

日付を並べてみたら、きれいに割れていた。

割烹川魚料理 たたみ家のうな重 蒲焼2枚
たたみ家(古河)。赤と黒の重箱にうな重。着席から37分待って出てくる
目次

夏は鰻、冬は苺

日付曜日滞在
12023年7月3日たたみ家11:08〜11:39
22024年1月22日ゆるりの森11:20〜12:13
32024年6月17日たたみ家11:56〜12:34
42025年1月28日ゆるりの森12:16〜14:35
52025年7月15日武蔵屋11:18〜12:00

夏に3回、冬に2回。春も秋も一度もない。

そして夏に行くのは鰻屋で、冬に行くのはいちご農園である。

しかも2024年と2025年は、どちらも冬に1回、夏に1回。年に2回、季節を分けて来ていることになる。

狙ってやったわけではない。行ける機会があったときに行っていたら、こうなっていた。

ついでに書くと、5回とも昼である。入店は11時台か12時台。夜に古河にいたことがない。

5回行って、一度も酒を飲んでいない

もうひとつ、はっきりした共通点がある。

この街で、私は一度も酒を飲んでいない。

鰻屋2軒には日本酒も焼酎もビールもある。飲める店である。それでも飲んでいない。ノンアルコールビールを頼んでいるか、何も頼んでいないかのどちらかだ。

ゆるりの森にいたってはアルコールの提供そのものがない。

武蔵屋の記事に、こう書いた。

この街は、私にとって酒を飲まずに贅沢をする街である。

呑み歩き研究所と名乗っておきながら、まとめ記事を1本書けるだけの回数を、素面で通っている。

古河は、日光街道の宿場町だった

川魚料理 武蔵屋の外観 明治中期の土蔵造
武蔵屋(古河)。旧日光街道に面した明治中期の土蔵造。国の登録有形文化財

先に街のことを書いておく。

古河は、江戸時代の日光街道(日光道中)の宿場町である。江戸・日本橋から数えて9番目の宿にあたる。

それ以前は古河公方の本拠地で、江戸時代には古河城の城下町でもあった。天保14年(1843年)の記録では、本陣と脇本陣が1軒ずつ、旅籠が31軒あったという。

いまも街並みに宿場町と城下町の名残があり、「小京都」と呼ばれている。

武蔵屋は、その旧日光街道に面して建っている。

3本の研究報告

1.割烹川魚料理 たたみ家——待つ時間まで込みで注文している

着席してから、うな重が出てくるまで約37分

2024年の記録を見ると、ノンアルコールビールが12時00分、白焼きが12時23分。その間の23分、卓には何も出ていない。

最初はそれを待ち時間だと思っていた。違った。

鰻は注文を受けてから割いて、串を打って、焼く。37分は、その工程の長さそのものである。短縮できるとしたら、先に焼いておくしかない。

だからこの店で私が注文しているのは、うな重ではなく「37分かけて作られたうな重」なのだと思う。うざくと白焼きは、その時間を埋めるためにある。

割烹川魚料理 たたみ家(古河)|うな重が来るまでの37分を、うざくで待つ

2.川魚料理 武蔵屋——建物のほうが、商売より古い

川魚料理 武蔵屋の上うな重 蒲焼3枚
武蔵屋の上うな重。同じ古河でも、たたみ家とは別の蒲焼

こちらは建物が主役だった。

国の登録有形文化財「武蔵屋店舗」。明治中期の土蔵造2階建、瓦葺、建築面積72平方メートル。平成25年6月21日の登録である。

面白いのは、この建物の前身が江戸末期の茶屋「漆屋」だったことだ。明治44年に料理屋へ転業したときに「武蔵屋」へ改称している。

つまり建物のほうが、いまの商売より古い。

店内には、手書きのメモが額に入れて掲げられていた。「曳屋さんが後方(東)へ曳いた時 2011.3.4」。建物を後ろへ動かした日付である。

その1週間後に何があったかは、書かない。書けるのは、店が自分で額に入れて掲げている事実だけである。

川魚料理 武蔵屋(古河)|明治中期の土蔵造で、上うな重を食べる

3.ゆるりの森——大きい苺がいちばんだと思っていた

ゆるりの森 苺の食べ比べ 恋みのり よつぼし 紅ほっぺ
ゆるりの森(古河・森ファーム)。冬に来る理由がこれ

冬の古河は、いちごである。

森ファームといういちご農園の敷地に、ゆるりの森というレストランがある。デザートに苺の食べ比べが出てきた。グラスに縦に3粒。札には上から恋みのり、よつぼし、紅ほっぺと書いてあった。

そこで農場の人に言われた。

一口で口に入る苺は、酸味と甘味を同時に味わえます。バランスが大切なんですよ。

大きい苺は、一口では食べられない。かじって、またかじる。そうすると甘いところばかりを求めてしまう。

「大きい=いちばん美味しい」ではない。この区別を、私は40代の後半になるまで知らなかった。

ゆるりの森 常陸秋そばと野菜天ぷら
ゆるりの森の常陸秋そば。いちご農園の中のレストランで食べる

ここのメインは常陸秋そばである。茨城県で生まれた品種で、金砂郷の在来種から選抜育成された。1978年に育成着手、1985年に県の奨励品種。

ゆるりの森(古河)|いちご農園で食べる常陸秋そばと、苺3種の食べ比べ

鰻屋2軒は、直線で約270メートル

たたみ家と武蔵屋は、歩いて4〜5分の距離にある。写真の位置情報で測ったら、直線で約270メートルだった。

それだけ近いのに、出てくる蒲焼はまったく違う。

どちらが上という話ではない。蒲焼は個性である。

配膳までの時間も違った。たたみ家が約37分、武蔵屋が約28分。これも優劣ではなく、店の設計の違いだと思う。

3軒に共通していたのは「待つ」ことだった

こうして並べると、古河で私がしていたことは、だいたい同じである。

  • たたみ家——うな重を37分待つ
  • 武蔵屋——上うな重を28分待つ
  • ゆるりの森——コースが順に出てくるのを待つ(2回目は2時間19分いた)

ファストフードの逆である。時間がかかることが、この街での贅沢の中身になっている。

そして待っているあいだ、私は酒を飲んでいない。素面で、出てくるまで待っている。

研究員の結論

また行くか:行く。たぶん次も、夏か冬に。

古河は私の生活圏ではない。年に何度か来る用があるだけの街である。それでも3年で5回来ている。

この街で分かったのは、飲まなくても呑み歩きは成立するということだった。

鰻を待つ37分と、苺を3つ並べて比べる時間。どちらも、酒がなくても十分に長い。

行くなら、こう考えるといいと思う。

  • 季節で店を選ぶ。鰻は夏、苺は冬。同じ街でも行く先が変わる
  • 昼に時間をとる。3軒とも昼の店で、出てくるまで時間がかかる
  • 鰻屋は2軒はしごできる距離。ただし1回では無理なので、別の年に
  • 酒は期待しなくていい。そのぶん、待つことに集中できる

この街には、まだ入っていない店がたくさんある。

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※各店の詳細・写真・訪問記録は、それぞれの記事にまとめています。飲食代はすべて筆者が自分で支払っています。価格・営業時間・定休日は変わることがあるため、この記事および各記事では原則として記載していません。古河宿および古河市に関する記述は公開されている資料によります。

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