御徒町は、かつて勤めていた街であり、私の第二の故郷だ。その御徒町で、記録に残っているだけで10回、おそらく50回は通っている店がある。鮮魚で名高い吉池グループ直営の立ち飲み酒場・味の笛。当研究所の「呑み歩き研究の原点」かもしれない店の、定点観測を報告する。
50回通ってわかったこと
わかったこと①:15時の開店と同時に入る
味の笛の平日の開店は15時(土日は14時)。私はほとんどの場合、開店と同時に入店する。明るいうちから立ち飲みで一杯。この時間から呑める店が駅から徒歩1分にあるということが、御徒町という街の底力である。
わかったこと②:50回通って、注文はほぼ固まった
刺身、焼き魚、珍味。吉池直営だけあっておつまみは幅広く、特に刺身の鮮度は抜群だ。それでも50回の観測の末、私の注文はほぼ決まっている。シュウマイ・赤ウインナー・スクランブルエッグ・ほうれん草が一皿に載った定番の盛り合わせと、各種パスタ。この2本柱については後で詳しく述べる。
わかったこと③:味の笛で失敗はない。だから2軒目で冒険する
安価に、美味しく、確実に呑める。その日1日を外さないための定番の1軒目として、ここは外せない。1軒目が盤石だから、2軒目は冒険ができる。御徒町から上野までアメ横を歩く日もあれば、湯島に向かう日もある。この「確実な1軒目から歩き出す」という型こそ、私の呑み歩き研究の原点なのだと思う。
店の基本情報とアクセス

場所はJR御徒町駅から徒歩1分ほど、吉池のすぐそば。1階が立ち飲み、2階が着席スタイルで、注文と受け取りは自分で行うセルフ式の酒場だ。このセルフ式が価格の安さを支えている。
営業は平日15時開店、土日は14時開店。定休日は無休。閉店時刻は日によって変わる可能性があるので、遅い時間に行く場合は事前に確認したい。
頼んだもの
黒ビール250円と、定番の一皿

生ビールも黒ビールも250円。ハイボールと酎ハイは200円。立ち飲みの正しい価格である。
そして私の定番の一皿がこれだ。シュウマイ、赤ウインナー、スクランブルエッグ、ほうれん草。居酒屋の一品としては地味かもしれない。だが50回通って毎回これを頼むのだから、これはもう研究結果として報告するしかない。黒ビールとの相性を含めて、私にとっての「味の笛の味」である。
越乃白鳥330円と、鮭とば

吉池グループは新潟にルーツがあり、新潟の酒と食材が豊富に揃う。ここでよくいただくのが日本酒の「越乃白鳥」、330円。合わせるのは鮭とばのような珍味だ。ビールから日本酒へ、盛り合わせから珍味へ。立ち飲みのまま、ゆるやかに新潟へ移動していく。
パスタ研究の記録
味の笛のもう1つの柱が、各種パスタである。立ち飲み酒場でパスタ、と思うかもしれないが、これが揃っているのだ。当研究所の観測記録から4種を報告する。

まず納豆パスタ。

イカ墨パスタ。立ち飲みでイカ墨まで用意している店を、私は他に知らない。

きのこパスタにマカロニサラダを添えて。

そして鮭パスタ。納豆、イカ墨、きのこ、鮭にマカロニサラダ。この巡回だけでも通う理由になる。酒場のパスタは呑んだ胃に優しく、2軒目に向けた土台にもなる。
焼き鳥串盛り

もちろん焼き鳥もある。定番の一皿とパスタの間に挟む1本もまた良い。
店の空気
15時の店内には、明るいうちから呑む者同士の、あの独特の連帯感がある。セルフ式だから店に急かされることもなく、自分のペースで注文し、自分のペースで切り上げる。立ち飲みなので長居はせず、気持ちよく温まったところで店を出る。そこから先は、アメ横か、湯島か。その日の気分が決める。
研究員の結論
また行くか:行く。というより、御徒町に行く日は必ず寄る。
向いているのは、明るいうちから呑みたい人。1軒目を確実に決めて、2軒目からの呑み歩きを楽しみたい人。新潟の酒と吉池の鮮度を立ち飲み価格で味わいたい人。50回通った研究員の結論として、味の笛で失敗はない。
当研究所の呑み歩きの型——「盤石な1軒目から、街へ歩き出す」——は、この店で作られた。御徒町・上野・湯島エリアの観測記事は、今後この店を起点に増やしていく予定である。
店舗情報
| 店名 | 味の笛 本店(吉池グループ直営) |
| 住所 | 東京都台東区上野5-27-5(1F・2F) |
| アクセス | JR御徒町駅から徒歩1分 |
| 電話 | 03-3837-5828 |
| 営業時間 | 平日15:00開店/土日14:00開店(閉店時刻は訪問前に要確認) |
| 定休日 | 無休 |
| 業態 | 立ち飲み(1F)・着席(2F)のセルフ式居酒屋 |
※記事中のドリンク・料理の価格はいずれも訪問時点のものです。
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